ナレーター:大きな船も、小さな船も、煙を吐いて走っていた頃、ビッグ・シティの港ではスター船体のタグボートが頑張っていたものだ。重い荷物を運んだり、大きな船を引いたりしてね。赤い煙突が目印だよ。さあ、そのスターのタッグス。まずは、物知りのOJ爺さんに。ぶきっちょウォリアーと、ごついビッグマック。気取り屋のトップハット。それから、気は優しくて元気者、テンセンツ。荒海だって平気なハーキュリー、かっこいいね。「やるぞ!」息を殺していたスターのタッグス、互いに助け合って働いたものだ。ある朝、スター船体の朝礼の時だ。いつものようにキャプテン・スターの声が響いた。
キャプテン・スター:おはよう!我がスター船体の紳士諸君。今日から、新入りがやってくる。テンセンツ、教えてやってくれ!
テンセンツ:了解!それで、名前は?
キャプテン・スター:「サンシャイン」。
トップハット:サンシャイン!?明るい時しか働かんのか?
テンセンツ:それはアンタのことだろ?
OJ、ビッグマック&ウォリアー:はっはっはっは!
トップハット:何だって?!
キャプテン・スター:静かに。サンシャインのことは頼んだぞ!話をよく聞け、デカい仕事だぞ。これまでで一番大きな客船がやってくる。うまくいけばこれからずっとお得意さんになってもらえるぞ!その船の名前は「ダッチェス号」!いいか、今日の昼過ぎだ。そのダッチェスを港に入れて、すぐドック入りさせる。OJ、アンタが指揮を執ってくれ!
OJ:アイアイ、キャプテン!
キャプテン・スター:ビッグマック!
ビッグマック:あぁ!
キャプテン・スター:お前は引いて行く!
ビッグマック:あいよ!
キャプテン・スター:トップハットとウォリアーは横から押せ。
トップハット:お前は抜きだよ、テンセンツ!ちらっと不向きだからして。
テンセンツ:えぇ...?
ウォリアー:へへっ!この仕事はでっかいタッグスでなきゃダメなんだ!
テンセンツ:ぶつけないように気を付けんだな。
キャプテン・スター:さあ出かけるんだ、テンセンツ。早くサンシャインに仕事を覚えさせるんだ。
テンセンツ:了解、行ってきます!
キャプテン・スター:さぁみんな、ダッチェスは昼過ぎだ。それまでにそれぞれの仕事を片付けておくんだ!いいな?
トップハット:さあてと...。
ナレーター:こちらは、キャプテン・ゼロ率いるZ船隊。スター船体の手強い競争相手だ。
キャプテン・ゼロ:よく聞け、ゼット船体の野郎共!スターの奴らが大きな仕事にありつこうとしてるそうだ!
ザク:なんだってよ?
キャプテン・ゼロ:笑わせやがるぜ!
ゾラン:笑えることかよ!
キャプテン・ゼロ:だったらゾラン、そいつを横取りしてきたらどうだ?奴らに儲けさせることはねぇだろう、えぇ?
ズグ:おぉっ!
ザク:そうだって、やってやる!
ジップ:そ、そいつは考えた方が...。
キャプテン・ゼロ:考えることはねぇんだよ!
ジップ:えぇ?
キャプテン・ゼロ:彼らは一番、腕が良くて押しが効くから命令してるんだ!おめぇたちも利口になるこった!
ザク:押しが効くのは俺の方だ。
ジップ:俺だって、利口ですぜ?
キャプテン・ゼロ:うるせぇ!利口ってのはなぁ、バカ正直な奴らを上手く出し抜いて、美味い汁を吸うってことだ!
ジップ:えぇ...?
キャプテン・ゼロ:さあ、ゾラン。さっさとボイラーに火を入れて一仕事やっつけてきな!
ゾラン:よーし、バカ正直がバカを見る!利口なゾラン様のお出ましだぁい!へっへっへっへ!
ジップ:けど、いいのかなぁ...?
ナレーター:ところで、その日。スター戦隊の花形、ハーキュリーには他に大事な約束があった。大きな客船を引いてく所なんか、かっこいいんだけどね。
テンセンツ:やあ、ハーキュリー。昼過ぎにはダッチェスが入って来るんだ、アンタが頼りだったのに...。
ハーキュリー:先約があるんでね、テンセンツ。残念...。
テンセンツ:ねぇ。【サンシャイン】ってタッグス、見なかった?
ハーキュリー:うん?知らないなぁ...。
テンセンツ:早く来てくれないと...こっちは忙しくなるんだ。
ハーキュリー:まあ、そっちの方は頼んだよ。しっかりな、テンセンツ。
OJ:テンセンツ、サンシャインとかいうの見つかったかのう?
テンセンツ:まだなんだ、まったく...。
OJ:はっはっは、向こうも探しとるじゃろう。

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